多機能型支援センターそらの取り組み(令和7年度経営力・工賃向上コンサルティング事業)
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- そらのカフェ
利用者の「アート」をビジネスに!グッズ展開と情報発信で新たな収益の柱を構築
令和7年度に県の「経営力・工賃向上コンサルティング事業」を受講された『多機能型支援センターそら』さんをご紹介します。
【事業所の概要を教えてください】
佐賀県鹿島市にある「多機能型支援センターそら」は、2020年に開所した就労継続支援B型事業所です。主な活動として、手作りにこだわった野菜中心の健康的なお弁当の製造・販売を行っており、地元企業への配達や「そらのカフェ」の運営を通じて地域の方々に親しまれています。
特に調理技術を活かしたお弁当は、高単価ながらも「食べ続けると調子が良い」と評判で、多くの固定ファンに支えられています。現在は定員20名の事業所として、利用者の個性を尊重した多様な働き方の創出を目指しています。
【本事業に取り組む前に感じていた課題はありましたか?】
主力であるお弁当事業は順調でしたが、調理には包丁を使うなど難しい工程も多く、すべての利用者が製造に参加できるわけではないというジレンマがありました。
一方で、事業所内にはユニークなイラストを描くなど、芸術的なセンスを持った利用者も在籍していましたが、その才能をどのように商品化し、収益に結び付ければよいかという具体的なノウハウが不足していました。
「アートを仕事にしたい」という想いはありましたが、商品企画や原価計算、販売戦略の立て方が分からず、アイデア止まりになっていたことが課題でした。また、ホームページの運用など情報発信面でも課題を感じていました。
【本事業ではどのような取り組みを行いましたか?】
コンサルタントと共に、お弁当事業に次ぐ「新しい仕事づくり」に取り組みました。具体的には、アートが得意な利用者のイラストを活かした「オリジナルグッズ(手ぬぐい等)」の開発プロジェクトを始動しました。
単にグッズを作るだけでなく、「ラクスル」等のサービスの入稿方法や、利益を確保できる適正価格の設定方法を学びました。また、デザインツール「Canva」の活用研修や、ショート動画を使ったWebマーケティングの基礎知識など、販売力を高めるための実践的な指導も受けました。
【取り組みを行う中で変化したことはありますか?】
最も大きな変化は、漠然としていた「アート事業」がビジネスとして具体化したことです。当初は一般的なカフェ風のデザインを検討していましたが、コンサルティングを通じて、競合の多いデザインではなく、利用者が描く「怪獣」や「未確認生物」といった独自の個性を活かしたシリーズ展開へと方向性が定まりました。
また、職員や利用者がCanvaを使って名刺やマルシェの告知チラシを自作できるようになり、情報発信力が格段に向上しました。新しい事業の準備が進む中で、数字(原価や利益)に対する意識も高まり、「自分たちの得意なことが商品になる」という実感が、事業所全体の新たなモチベーションにつながっています。
【本事業に参加された感想・ご意見を教えてください】
このプロジェクトに参加させていただき、同じ悩みを抱えながらも、アイデアや発想はそれぞれ異なることに気づくことができました。また、それらを言葉にし、実際に行動へと移すことで、形となり、工賃の向上につながっていく過程を実感することができました。
本事業は県の主催により、本来負担すべき費用をご支援いただき、さらに専門家の知識に触れる貴重な機会を得ることができました。他事業所の取り組みや努力を知ることで良い刺激を受け、それが相乗効果となり、それぞれの事業所の発展につながっていくものと感じております。
<経営力・工賃向上コンサルティング事業とは>
障害福祉サービス事業所等で働く障害のある方の工賃収入の向上を目的として県が実施している事業です。
工賃収入の安定確保や向上に取り組む就労継続支援B型事業所等を対象に、専門家を派遣し、経営面のアドバイスや技術指導、商品・サービスの価値向上などの支援を行っています。