夢ねっこの取り組み(令和7年度経営力・工賃向上コンサルティング事業)

2026年04月03日
事業所
事業所
夢ねっこ
夢ねっこ販売会での様子お弁当はすぐに完売してしまう人気商品

「待ち」から「攻め」の営業へ転換!「得意」を活かした新規開拓で赤字脱却を実現

令和7年度に県の「経営力・工賃向上コンサルティング事業」を受講された『夢ねっこ』さんをご紹介します。


【事業所の概要を教えてください】
 「夢ねっこ」は、佐賀県神埼市にある就労継続支援事業所です。主な生産活動として、独自のきゅうりの漬物「夢きゅう」の製造・販売をはじめ、自動販売機用焼き芋の準備や箱づくりなどの内職、クラフトテープを使った雑貨制作など、多岐にわたる業務を行っています。
 施設長が教育関係出身ということもあり、利用者の個性に寄り添ったきめ細やかなサポートが特徴です。現在は定員20名の事業所として、地域団体と連携した弁当配達補助なども行いながら、利用者一人ひとりが活躍できる場づくりを目指しています。


【本事業に取り組む前に感じていた課題はありましたか?】
 慢性的な赤字体質と利用者数の伸び悩みに大きな課題を感じていました。生産活動では近隣から紹介された業務を行っていましたが、時間単価は55円~200円台と低水準であり、十分な工賃確保が難しい状況でした。収益を改善したくても、私自身に営業経験がなく、どのように新規の仕事を獲得すればよいか分からず、「待ち」の姿勢になっていました。
 また、定員に対して利用者が少なく、職員が生産活動の補助に手を取られすぎてしまうなど、事業所全体の「強み」を活かした経営ができていないことに焦りを感じていました。


【本事業ではどのような取り組みを行いましたか?】
 コンサルタントと共に、「待ち」から「攻め」の経営へ転換することを目指し、営業活動の強化に取り組みました。まずは利用者やスタッフの「得意」や「強み」を棚卸しし、それを武器にできる営業先をリストアップしました。
 具体的には、月間生産活動収入20万円を目標に設定し、業務獲得に向けてリストアップした企業等への訪問を実施しました。単に仕事をお願いするのではなく「お客様の課題を解決する提案」を行う営業手法を学び、情報発信の強化も行いました。


【取り組みを行う中で変化したことはありますか?】
 最も大きな変化は、開所以来続いていた赤字から脱却し、単月で23万円の黒字を達成できたことです。営業活動を通じて新規顧客を7件以上獲得し、月5万円程度の増益を実現できました。
 また、職員や利用者の意識も変わりました。自分たちの「得意」が仕事につながる経験をしたことで、「営業しよう」「新しいことに挑戦しよう」というモチベーションが生まれました。営業の過程で認識の相違が生じた経験から、リスク管理の観点でやり取りを記録する体制の重要性を学び、録音ツール(Plaud)の導入などの対策も進めました。


【本事業に参加された感想・ご意見を教えてください】
 人は鏡がなければ、自分の姿を確認することができません。そして、つらい時ほど、その鏡を見ようとはしないものです。
 今回、コンサルタントの北村さんのおかげで、私たちは夢ねっこの姿を見つめ直すことができ、経営において一歩を踏み出すことができました。
 私の踏み出したその一歩は職員にも伝わり、皆もまた新たな一歩を踏み出してくれています。
 殻を破り、今日も営業の視点を持って走り回る中で、新たな契約の芽も生まれました。
 「誰かのために」という思いが、やまびこのように私たちのもとへ返ってくる。
 そんな世界を、今、喜びとともに感じています。



<経営力・工賃向上コンサルティング事業とは>
 障害福祉サービス事業所等で働く障害のある方の工賃収入の向上を目的として県が実施している事業です。
 工賃収入の安定確保や向上に取り組む就労継続支援B型事業所等を対象に、専門家を派遣し、経営面のアドバイスや技術指導、商品・サービスの価値向上などの支援を行っています。

事業所情報